
公益社団法人日本写真家協会(Japan Professional Photographers Society 略称JPS)は、昭和25(1950)年に設立しました。協会はわが国の代表的な写真家によって組織され、写真家の職能と地位の確立、著作権の確保と啓蒙活動、写真の歴史と表現に関する写真展の開催と出版、写真技術に関する調査研究とセミナーの開催、写真文化に貢献した個人および団体の顕彰、新人の発掘と人材の育成、国際交流、出版活動とインターネットによる情報の発信などの活動を展開しています。さらに写真美術館の設立運動、写真原板を保存する「日本写真保存センター」(アーカイブ)の創設を図るなど、わが国の写真文化の発展に寄与する活動を積極的に行っています。

日本写真家協会は、昭和25(1950)年5月12日にプロ写真家の有志67名が集まり、初代会長に木村伊兵衛を選び発足しました。目的は、職業写真家が創作者としての著作権の確立と擁護、会員間の親睦並びに相互扶助、国際的な写真文化の交流、写真発表機関の開拓など、今日にもつながる諸問題を掲げて出発しました。そして職業写真家としての地位の確立のため、写真展、撮影会を開催し、協会の広報、著作権の文学、美術と同じ権利獲得を目指し活動を行いました。
二代目の渡辺義雄会長は「写真家の信用や地位の向上のためには、協会を法人化し、社会に文化貢献し、経済的にも信頼される写真家の団体にするべきだ」と提言しました。協会員の意見は渡辺会長の案に賛同する者、協同組合にするべきだ、いや一般団体のままでよいなどと割れ、長い間その選択に論議が行われ、最終的に平成13(2001)年5月11日、創立50周年の最終日に文部科学大臣より社団法人の設立許可が公布されました。
協会が行ってきた重要な活動に著作権法の改正があります。それは、明治32(1899)年に施行された著作権法、写真の保護期間は「発行または制作後10年」と決められたまま第二次世界大戦後も継続していました。私たち日本写真家協会は、他の写真関係団体と協力して改正のための運動を展開し、平成9(1997)年に「著作者の死後50年間保護」の法律改正を実現することができました。しかし、写真の「公表後10年」という保護期間があまりにも長かったため、存命する写真家の昭和32(1957)年以前の著作物の保護期間が消滅しています。これらの著作権の保護期間を昭和20(1945)年まで遡って復活していただくよう、関係官庁及び写真著作物の利用者と協議を行っています。
その他に協会は『日本写真史1840~1945』『日本現代写真史1945~1970』『日本現代写真史1945~1995』など写真に関わる書籍の編纂を行っております。ことに前記の3冊は日本における写真の草創期から現在に至る作品と写真界の変遷を知る上で重要な著作物として今も高く評価されています。近年、創立55周年を記念した「日本の子ども60年」、60周年を記念した「おんな―立ち止まらない女性たち―」の写真展、写真集の発表は、ともに好評を得ています。
37回を迎える「JPS展」、「日本写真家協会賞」、若いフォトジャーナリスト育成のための「名取洋之助写真賞」、また写真力を伝える「フォトフォーラム」は、協会の根幹をなす事業となっています。
平成13(2001)年、長年の念願であった社団法人に認可されてからの協会は、以前にも増して目ざましい活躍で、公益事業を推進しています。これらは会員諸氏の協力によるものと深く感謝しております。平成20(2008)年12月1日、新公益法人制度の施行により社団法人がなくなり、定款を改正して申請を行い、平成23(2011)年3月28日、内閣総理大臣より公益社団法人の認定を受けました。これからは一層写真を通して社会に貢献するとともに協会員の権利、地位の向上に努める所存です。
7年前から始めた「日本写真保存センター」設立運動は、ゆるやかですが着実に前進しています。文化庁のご厚意によりフィルムセンターの収蔵庫(相模原市)の一部を借り受けることになりました。また、調査活動の作業室はJCIIビル4階の一室を借りることになり、本格的な収蔵作業を始めております。しかし、この運営費はどこからも出る予定がありません。写真界に広くお願いをして遂行していかねばなりません。写真を愛する皆様にご支援を願う次第です。
写真に関わる環境は、銀塩写真からデジタル写真に急速に変化しています。さらに写真を掲載してきた雑誌メディアが激減しています。デジタル写真の利点は、暗室がいらない。瞬時に世界中に写真が送信できるなど、いろいろありますが、逆に写真の著作権管理が難しくなっています。設立当初に掲げた著作権の確立擁護、写真発表機関の開拓など再び重要な課題となっています。
協会は60余年にわたり、写真文化の振興、写真家の地位向上のために尽力してきました。これからも、よりよい環境を築き、社会や写真界発展のために貢献するとともに職業写真家のために尽してゆく所存です。皆様の一層のご協力を願う次第です。