JPS会長のひとこと

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新年おめでとうございます

JPS会長のひとこと「新年おめでとうございます。」
題字と文:田沼武能

新年おめでとうございます。
 今年は辰年、竜は想像上の動物、雲雨を自在に支配する力を持つとされます。天災、豪雨のない年でありますよう、年頭にあたり竜神に祈念します。
 昨年は3月11日の東日本大震災、大津波に加え、福島原発の事故があり、その後九州、和歌山の集中豪雨の被害、タイの洪水による日本のカメラメーカー工場の長期浸水等々、われわれ日本人を震撼させる大災害が続きました。JPS会員の東日本在住者も少なからず被災されており、心からお見舞い申し上げます。
 協会は3.11の支援活動として、東日本の被災の記録を始め、復興に尽力する人々、よき時代の暮らしなど、過去、現在、未来につながる夢と希望を折り込んだ写真展、写真集の企画を3月に向けて進めております。幸い趣旨に賛同いただけるスポンサーもあり、被災会員の作品を折り込み編纂にとりかかっております。タイトルは「生きる」―東日本大震災から1年―です。
 この数年雑誌メディアの休刊が相次ぎ、その傾向がいっこうに止まりません。時代の流れを変えることは難しいようです。新たな写真の理活用法を写真家が協力して生み出してゆかなければなりません。
 また、デジタル時代の到来により、写真の著作権管理が非常に難しくなっています。従来はデュープやプリントで原稿の受け渡しをしていたものが、デジタル画像になり瞬時に画像を世界各地に送り届けられ便利になりました。しかし、使用した後に、写真のデータが先方に残ってしまいます。使用後のデータは消すようにお願いしていますが、先方の善意にお願いするしかありません。この解決方法を考えるのも今年の課題の一つです。
 本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。
平成24年元旦

新年おめでとうございます

JPS会長のひとこと「新年おめでとうございます。」
題字と文:田沼武能

新年おめでとうございます。
 日本写真家協会は、皆様の協力を得て60周年記念事業の写真展「おんな」-立ち止まらない女性たち-と、写真集の刊行を成功裡に進めることができました。また、祝賀会には約540名の出席者を得て盛大に開催し、会員一同感謝と感激の一年でした。
 今年度は、公益社団法人の認定を得て、心あらたに法人として再出発したいと願っています。勿論、これまでの事業を継承するとともに、写真家の地位の向上、写真界の発展に尽力したいと念じております。文化庁委嘱の「我が国の写真フィルムの保存、活用に関する調査研究」と、フィルム収蔵庫の確保に目処はつきましたが、調査作業室や調査員の経費等が次の課題となっています。
 いま出版界には電子メディアの旋風が吹き荒れており、写真も新しい媒体に対応せねばなりません。協会をあげて立ち遅れぬよう努力しております。限りある財力、人力ですが、社会のため、写真界のため、写真家たちのために一層尽力する所存です。
 本年も倍旧のご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。
平成23年元旦

デジタルの急速な進歩と新たな問題

JPS会長のひとこと「デジタルの急速な進歩と新たな問題」
写真と文:田沼武能
日本写真家協会会報143号巻頭言より

著作権問題そのものは順当に推移しているが、デジタルシステムの急速な進歩により、写真のデータが貸出先に残ってしまうことだ。銀塩フィルムでの貸出しはデュープフィルムを渡し、戻してもらうという方法で処理していたが、デジタルではその方法がきかない。使用後消去したか否かは貸出し先を信用するしかない。なにかよい方法がないか模索の状態である。
それ以上に問題になっているのは、昨年、出版社がフリーで仕事をしている写真家に対し、新たに作られた仕事の契約条項とも言うべき書類が送られてきて、デジタル撮影およびその後の処理費用、コンタクトシートの代金、助手の料金、レタッチ料等の価格を一方的に決定してきた。送られてきた日時は多少の違いはあるが、内容については殆ど似ており、出版社が集まって相談して決めたのではないかと思うふしがある。これらも協会としては雑誌協会に意図についての説明を正式に申し入れをして話し合う必要があると考えている。これも協会員にとっては死活問題にかかわるので早急に進めたい。

作品タイトル:『世界の子ども』 撮影日:2007年

※作品は本文とは直接関係ありません。

公益社団法人になるために...

JPS会長のひとこと「公益社団法人になるために...」
写真と文:田沼武能
日本写真家協会会報143号巻頭言より

社団法人となって以後、当協会の運営は順調に発展しており、今では写真界の中心的役割を担っていることはご存じの通りである。しかし、一昨年末、公益法人制度の改革により現在使われている社団法人は消滅し、一般社団法人と公益社団法人に分けられ、新しく申請しなければならなくなった。公益社団法人になるためには、公益事業を50パーセント以上行わなければならない。その外、定款を改正しなければならない。そのためには正会員4分の3の賛同を得なければならない。前回の総会で当協会は公益社団法人を目指して許可を得ることを決議し、認定の個別相談にもとづいて定款の手直しを進めている。

作品タイトル:『世界の子ども』 撮影日:1991年

※作品は本文とは直接関係ありません。

還暦を迎えた日本写真家協会

JPS会長のひとこと「還暦を迎えた日本写真家協会」
文:田沼武能
日本写真家協会会報143号巻頭言より

(社)日本写真家協会は今年還暦を迎えた。人間ならば生まれた年の干支に還るという意味だが、協会としての還暦は"初心忘るべからず"ということであろう。
この60年で写真の著作権も大きく変化している。創立当初の保護年限は、公表後10年であった。即ち撮影した日から10年だから作者の存命中に、殆どの著作権が消滅してしまったのである。それどころか、当時のグラビア写真に使う原稿はネガフィルムで入稿しており、使用後編集部から返却されないことが多々あった。これらの問題を解決するために、ネガフィルムの返却を出版社に要請するとともに写真著作の保護期間を文芸美術なみにすべく他の写真団体と協力して運動を推進したのである。そして著作権法が改正され文芸美術と同じ「死後起算50年」になるには半世紀かかったのであった。
また永年にわたり社団法人にすべきか否かでもめた法人問題も、創立50周年の最後の日に文部科学大臣から設立許可が交付された。社団法人になってからのJPSはまばゆいほどの発展である。