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「写真に関わる著作権Q&A」について
このページは、公益社団法人日本写真家協会が著作権の普及と啓発を目的に、日常の写真に関わる著作権の基本や疑問点等に関して解り易く、具体的な「著作権Q&A」として解説いたしました。
近年のコンピュータ技術の急速な発展やインターネットの普及にともない、写真表現や情報発信の形式等も飛躍的に拡大してきました。このような社会状況の下では、写真関わる著作権についても、紙媒体としての印刷物等だけでは解説できなく、Web上での写真の扱いも含め、今後もより実社会との密接な関連事項について、加筆、追加を予定しております。
- Q:著作権を得るには、何か手続が必要ですか?
A:著作権は、写真家(撮影者)が写真を創作した時点で、自動的に発生します。(第51条)
したがって、登録とか申請といった手続きは、一切必要ありません。(無方式主義)(第17条-2)
- Q:写真の著作権の保護期間はどのくらいですか?
- A:写真に限らずわが国での著作権の保護期間は、原則的として著作者の生存している期間と死後50年間です。(51条-2)
- Q:著作権の保護期間が著作者の死後50年以上の国は何処ですか?
-
| 死後100年: |
メキシコ |
| 死後99年: |
コートジボワール |
| 死後80年: |
コロンビア |
| 死後75年: |
グアテマラ、ホンジュラス |
| 死後70年: |
アメリカ、アイスランド、アルゼンチン、アルバニア、オーストラリア、シンガポール、スイス、ノルウェー、ブラジル、ロシア等 |
|
|
イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スペイン、スウェーデン、ブルガリア、ポーランド、ポルトガル、デンマーク、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、フィンランド、ルーマニア等 |
| -------------------------------------------------------------------------- |
| 死後60年: |
インド、ベネズエラ |
| 死後50年: |
日本、アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク、インドネシア、ウズベキスタン、エジプト、オマーン、カナダ、カメルーン、カンボジア、キューバ、サウジアラビア、台湾、ニュージーランド、パキスタン、マレーシア、ヨルダン等 |
| 死後30年: |
イエメン、イラン |
| 死後25年: |
ジプチ、スーダン |
- Q:写真をそっくりそのまま絵に描いて公表すると違法になりますか?
A:写真家に無断で写真そっくりに絵を描いて公表すれば、著作権(複製権)の侵害になります。
(第2条1-15・第21条・第30条)
ただし、私的複製の範囲で、描いた絵を自分の部屋に飾ったり、家庭内で楽しむことは違法ではありません。
- Q:名画や書の複製写真は、写真の著作物として保護されますか?彫刻などの立体物を撮影したときはどうなりますか?
- A:たとえ世界的に著名な画家の作品を複写しても、そこに新たな著作権は発生しません。
単にカメラのメカニズムを介して絵画を忠実に再製すること自体に新たな創作性がなく、著作物とは認めがたいという理由からです。
一方、彫刻などの立体物の撮影にあたっては、カメラやレンズの選択にはじまり、アングル、照明など、写真家の創意工夫があるとされ、著作物として保護されます。(第2条-1)
なお、名画や彫刻等の複製写真利用にあたっては、原作者の著作権が働くことに注意が必要です。
- Q:公園などの屋外に設置してある彫刻は自由に撮影できますか?
- A:恒常的に置かれている彫刻は、原則として自由に撮ることができます。ただし、絵はがきなどにして売ることは出来ません。売るときは著作権者の許諾が必要です。
なお、名画や彫刻等の複製写真の利用にあたっては、原作者の著作権が働くことに注意が必要です。
- Q:建物を撮影し、出版物に掲載することは、建築の著作権を侵害することになりますか?
- A:一般に公開された建物の外観を撮影し出版物に載せるだけでは、著作権の侵害にはなりません(第46条-2)が、広告、パッケージなど商業的なものに利用するときは著作権者の許諾が必要です。
なお、建物の敷地内での撮影は、管理者の指示に従うと良いでしょう。
- Q:「フォトコンテスト応募作品」の著作権は誰に帰属するのですか?
A:原則としては、著作権は撮影者に帰属します。
賞金や賞品を出したからといって著作権が、主催者側に移るものではありません。
ただし、応募要項の中には、「著作権は主催者に帰属します」と記載されているものもあり、著作権法の本義と異なった解釈をされている場合もありますが、応募要項が一種の契約として解釈されることもありますから、応募にあたっては十分な注意が必要です。
また、応募要項によって主催者側に著作権が移った場合でも、著作者人格権は著作者(撮影者)にありますから、無断で作品の改変や、作者名の変更などをしてはいけないことになっています。(第19条、第20条)
※フォトコンテストガイドラインの詳細については、一般社団法人・日本写真著作権協会ホームページ「フォトコンテスト主催者の皆様へ」をご参照ください。(http://www.jpca.gr.jp/)
- Q:社員や従業員が職務上撮影した写真の著作権は、どこに帰属しますか?
- A:原則としてその法人が著作者となります。
ただし、契約、勤務規則その他に別段の定めがあれば、その限りではありません。(第15条)
- Q:出版社やクライアントがすべての取材費や撮影経費を負担した場合には、写真家の著作権はどのようになりますか?
- A:契約によりますが、原則として著作権は、写真家に帰属します。
出版社や依頼者が撮影に必要な経費の全額負担をしたからといって、別段の契約がない限り、著作権が依頼者側に帰属するということはありません。(第2条-1)
(平成5年1月25日・東京地裁判決・ブランカ事件)
- Q:公衆送信権とはどんな権利ですか?
A:著作物を、放送、有線放送、インターネットで伝達することを著作者に占有させる権利の総称です。(第23条1-2)
公衆送信権とは、インターネット等により、著作物を公衆向けに「送信」することに関する権利(第23条)であり、公衆向けであれば、無線・有線を問わず、あらゆる送信形態が対象となります。
また、「自動公衆送信」とは、「公衆送信のうち、公衆の求めに応じ自動的に行うもの」をいいます。利用者(公衆)がパソコン等を使ってブラウザ上で写真、文章やイラストなどの著作物を表示したり閲覧したりできることも、インターネットサーバーが「公衆の求めに応じて自動的に送信している」しくみです。(第2条9-4)
「送信可能化権」とは、写真等の著作物をインターネット等のサーバーにアップロードして公衆に送信し得る状態にできる権利で、実際の送信行為の有無にかかわらず、著作物をサーバー等にアップロードするだけであっても著作者の許諾が必要になります。したがって、著作者に無断でアップロードされた著作物に一度もアクセスがなかった場合でも権利侵害が発生します。(第2条9-5)
- Q:インターネットで見つけた写真をプリントアウトして部屋に飾り楽しんでいます。著作権法上の問題点は?
ネット上で北海道のすばらしい流氷の写真を見つけました。プリントアウトしてみると流氷の上にアザラシの姿があり、雄大な自然に魅了され、額装して部屋に飾りました。遊びに来た友人がすばらしい写真だけれど、これは著作権侵害になるのではと気にしていました。このような場合、著作権侵害になりますか?
A:この質問は、私的複製の範囲にあたり、全く問題ありません。(第30条)
ただし、無断でプリントアウトして友人に配布、頒布などをおこなうと写真家の著作権を侵害することになり、損害賠償請求などの訴訟になる可能性があります。事前に写真家の許諾が必要になります。(第21条)
- Q:テーマパークで着ぐるみのキャラクターと一緒に撮った家族写真をブログに載せたいのですが?
- A:写真を友人や親戚などの限られた範囲で楽しむことには問題はありません。
しかし、多くのテーマパークにおけるキャラクタ-は「私的利用の範囲を超えた使用」を禁止しています。有名テーマパークのキャラクターや建築物には、ライセンス契約上の肖像権や所有権があり、また、ブログやホームページへの掲載は、不特定多数の人に同時に閲覧できる状況にすることであり、営業的な付加価値を侵害することになります。各テーマパークでは私的利用を超えた写真の使用にあたって、それぞれ規定を設けているようですから、テーマパークの広報室に確認してください。(肖像権、商標権、不正競争防止法)
- Q:ベルヌ条約とはどんな条約ですか?
- A:この条約は、著作権における国際的保護の基本として最も重要であり、世界の著作権法といえるものです。
1886年(明治9年)ヨーロッパ諸国を中心に著作権にかかわる国際的ルールを定めた条約です。2009年現在、世界の164カ国が加盟しており、わが国は1899年、アメリカは1989年に加盟。特色は、内国民的待遇の原則と無方式主義です。(著作物を作成した時点で自動的に著作権が発生し、登録等は不要。)
- Q:万国著作権条約(ユネスコ条約)とはなんですか?
- A:この条約は1952年、国内法の関係でベルヌ条約を批准できなかった諸国のために、ベルヌ条約を補完するものとして国際連合教育科学文化機関(UNESCO)が提唱して決められたもので、ユネスコ条約とも呼ばれているものです。
ベルヌ条約創設の頃、アメリカを中心に中南米の諸国はすでにパンアメリカン条約を制定しており、自国の著作権法との差があったため当初ベルヌ条約に参加せず、著作権の発生に登録主義(方式主義)をとっていました。
(c)マーク表示によって方式主義国でも保護され、保護期間は25年です。日本は1956年に条約を批准。1971年のパリで改正が行われ、1977年に改正条約が締結されました。
近年は、世界のほぼ全ての国家が世界貿易機関(WTO)の加盟国であり、WTO協定の附属書である知的所有権に関する協定(TRIPS協定)を受け入れています。このため、万国著作権条約はその重要性がなくなったとされています。両条約加盟国では、ベルヌ条約が優先します。
- Q:外国の写真家の作品を日本で使用したいが、著作権の扱いはどのようになりますか?
- A:ベルヌ条約加盟国では、内国民的待遇の原則に従って、わが国の著作権法が適用されます。
例え著作権保護期間が日本の保護期間より長い欧米諸国の著作物であっても、日本の保護期間の死後50年が適用されます。
- Q:写真集の作品を教科書へ無断掲載されました。著作権侵害ではありませんか?
A:学校教育の目的上、必要と認められる限度内で、教科書へ掲載することができます。(第33条)
ただし、著作者への通知と文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に支払わなければなりません。
(第33条1-2)
一般教材では、事前の承諾と通常の使用料の支払いが必要です。
- Q:著作者と著作権者は同一の人物になりますか?
- A:原則的には同一人です。(第14条)
ただし、著作権は譲渡や相続ができますから、異なる場合もあります。
この場合でも、著作者人格権は一身専属性のため譲渡や相続はできず著作者にありますから、作品の利用にあたっては、著作者への配慮が必要になります。
- Q:写真作品の無断使用による賠償金の基準はありますか?
A:著作権法には賠償金を算定する方法は定められていますが、具体的な額が定められているわけではありません。
通常の使用料金を算定基準とすることが多いのですが、勿論場合によっては慰謝料も請求できます。また、反復使用に対して値引きをすることが一般的でも、侵害の場合にはそのような値引きを考える必要はありません(第114条)
不当な侵害に対して、通常の使用料だけで引き下がらねばならないのはなんとも釈然としないところです。立法論として、本来の損害の倍額とか3倍額とか認める国もあります。現在のわが国の賠償制度でこれをそのまま持ち込むのは無理ですが、さまざまな工夫をして最大限の損害賠償請求をする工夫がされています。