訃報 田沼武能名誉会長が逝去されました

公益社団法人日本写真家協会名誉会長である田沼武能氏が6月1日に逝去されました。

93歳でした。

長きにわたって会長を務められ、JPSを牽引していただきました。

「戦後の東京をとらえたドキュメンタリー」、「文士や芸術家の肖像」、「世界の子どもたち」など、

生涯にわたって取り組んだ作品の数々は、写真ならではの記録性の重要さを知らしめるものでした。

2019年には写真家として初の文化勲章を受章し大きな足跡を残されました。

生涯現役を貫き、日本写真界のリーダーとして、

写真文化の発展向上と写真家の権利擁護に尽力され、計り知れない貢献をされました。

 

ここに協会を代表して、心よりの感謝と哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします。

2022年6月2日

公益社団法人日本写真家協会
会長 野町和嘉

略歴

1929年、東京浅草生まれ。東京写真工業専門学校卒業。49年にサンニュースフォトスに入社して木村伊兵衛氏に師事。芸術新潮、タイムライフ嘱託などを経て1972年からフリーランスとなる。ライフワークとして世界の子どもたち、人間のドラマ。武蔵野や文士・芸術家の肖像を撮り続けている。95年より(公社)日本写真家協会会長に就任。1979年モービル児童文学賞、1985年菊池寛賞、1990年紫綬褒章、2002年勲三等瑞宝章を受賞し、2003年文化功労者、2019年に写真家として初の文化勲章受章。

 

 

 

 

主な著書

『すばらしい子供たち』(1975朝日新聞社)、『文士』(1979新潮社)、『東京の戦後』(1993筑摩書房)、『人間万歳』(2000クレオ)、『輝く瞳 世界の子ども』(2002岩波書店)、『60億の肖像』(2004日本カメラ社)、『難民キャンプの子どもたち』(2005岩波書店)、『武蔵野讃歌』(2006ネット武蔵野)、『真像残像 ぼくの写真人生』(2008東京新聞出版局)、『笑顔大好き 地球の子』(2010新日本出版)、『トットちゃんと地球っ子たち』(2012新日本出版社)、『人間万歳 写真をめぐるエセー』(2013岩波書店)、『時代を刻んだ貌』(2014クレヴィス)、『東京わが残像』(2017クレヴィス)、『未来へ架ける世界の子ども』(2019クレヴィス)など。

公益社団法人日本写真家協会会長(1995~2015年)
一般社団法人日本写真著作権協会 会長
東京工芸大学芸術学部写真学科 名誉教授