JPS展メールマガジン特集 Vol.4

・気になる機材紹介[ニッシンストロボ]

前回まで3回にわたって、在宅お試し工房をご紹介いたしました。今回は気になる機材として、ストロボをご紹介します。
カメラメーカーではなく、ストロボメーカーの製品は気になるもの。今回はニッシンデジタルのフラッグシップ機「MG(マシンガンストロボ)シリーズ」にスポットを当てます。紹介してくださるのは、ニッシンジャパン(株)の國頭さんです。開発ストーリーもお話していただきました。

 


○ニッシンデジタル「MG(マシンガンストロボ)シリーズ」
 
MGシリーズは、2012年に発売となったクリップオンタイプの初代MG8000から、以降シリーズ化され、現行のグリップタイプのMG10、MG8、クリップオンタイプのMG80 Proと続いています。
マシンガンとは物騒なネーミングですが、もともと米国ではエレクトロニックフラッシュをフラッシュガンと呼ぶこともあり、連続発光に強いことからマシンガンストロボと名付けました。ストロボの放電管の材料は通常ガラスですが、「MGシリーズ」には高温に強い”石英(クオーツ)”が使用されています。石英管はビル屋上の航空誘導灯などに使用される耐久性の高い材料です。

実は小型ストロボで石英管を採用するのはニッシンデジタルの「MGシリーズ」だけです。石英管は高温になるので、その周りの部品もセラミックなどの耐熱仕様にする必要がありました。膨張率が異なる構成部品をバランスを取りながら、コンパクトな発光ヘッドに収めるのは幾つもの技術的課題をクリアする必要があり、MG8000の開発期間には多くの月日を要しました。その技術は独自のものであり、ニッシンデジタルではその技術で特許を取得しています。この高温に強い石英管を小型ストロボに取り入れることに成功し、高い耐久性、耐熱性が「MGシリーズ」で実現されることとなりました。

しかし、発売にはもう一つの課題がありました。製造コストの問題です。石英管およびその他の耐熱部品は、ガラス管に比べ部品代や組立費が原価を押し上げ、既存の販売ルートで販売するにはかなり高額なってしまうことが懸念されました。それを解消するために、やむを得ず初代MG8000から、その当時としてはまだ珍しかった直販体制を取るようになりましたが、時代の流れも後押しし、その後ニッシンデジタルでは直販はすっかり定着しております。
 
発光部の構成部品がほとんど専用部品であったため、部品調達が難しく、作りたくても作れなくなったという製造上の理由により惜しまれつつ販売を終了したMG8000でしたが、終了後4年以上経過した現在でも唯一無二のストロボとして、多くの方にご愛用いただいております。更に改良を重ねた現行モデルMG10, MG8, MG80 Proは弊社の主力製品としてニッシンデジタルの代名詞ともなっています。長いストロボの歴史においても、稀に見るイノベーションを達成したマシンガンストロボについて、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

 

・ニッシンジャパンホームページ:https://www.nissin-japan.com/

 


・MG8000(販売終了品)
https://www.nissin-japan.com/product/mg8000/

 

・MG10
https://www.nissin-japan.com/product/mg10/

 

・MG8
https://www.nissin-japan.com/product/mg8/

 

・MG80 Pro
https://www.nissin-japan.com/product/mg80/