2026年02月24日 桑原史成
第 I 部 水俣病
水俣病は、1956年に最初の患者が公式に確認された公害事件であり、日本における代表的な環境汚染・健康被害事例の一つである。原因は、チッソ株式会社水俣工場がアセトアルデヒド製造工程で触媒として使用していた水銀が有機化し、「メチル水銀」となって工場廃水として不知火海に排出されたことにある。汚染された魚介類を摂取した住民に、重篤な神経障害が発生した。
これまでに公式に認定された患者数は、熊本県、鹿児島県、新潟県を合わせて3,000人余にのぼる。また、国の特別措置法に基づく救済制度により、軽度の症状を有する者として約4万数千人が補償対象とされている。
私は1960年より水俣地域に入り、発生当初から現在に至るまで、現地で起きた出来事を継続的に撮影・記録してきた。取材の過程において、水俣湾産の魚介類を直接摂取していない乳幼児にも水俣病の症状が確認されている事例が多数存在することが明らかとなった。
これは、汚染された魚介類を常食していた母親の胎内で、胎児がすでに影響を受ける「胎児性水俣病」の存在を示すものである。
第 II 部 激動する韓国、北朝鮮
2025年は、日本と韓国の国交正常化から60年にあたる。本展では、この節目にあわせ、私が長年にわたり、取材・撮影してきた韓国社会の政治的・社会的変動を記録した作品群「激動する韓国」を展示する。
あわせて、1968年以降、複数回にわたり限られた条件下で撮影した北朝鮮の記録も紹介する。
写真展情報
会 期:2026年2月28日(土)〜3月27日(金)
会 場:公益社団法人日本外国特派員協会(FCCJ)
住 所:東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビル5階
URL:https://www.fccj.or.jp/article/inquiries-access

