宇苗満作品展『カムイの島』開催のお知らせ(10月1日〜)

2021年09月17日    宇苗 満

天地黎明(アシリパ)©宇苗満

カムイの島

アイヌ文化を基盤に、大和文化が絶妙に混ざり合った島。それが北海道南西沖に浮かぶ奥尻島(アイヌ語でイクシュンシリ:向こうの島)である。その歴史は約1300年前(北海道の続縄文時代/本州畿内の飛鳥時代)にオホーツク民族(サハリン)・渡嶋蝦夷族(北海道)・陸奥蝦夷族(本州北東北)・大和民族(本州畿内)が、弊賂弁嶋(へろべのしま:奥尻島)で「多様性のある文化」を構成していた古代日本の海洋交易時代にさかのぼる。そして、島は陸地から遮断されることによって「聖地性」も内在している。

奥尻島の先人たちは、アイヌ文化的な「神々しい絶景、心震わす情景、幻想的な光景」、大和文化的な「八百万の神が放つ気配、寂滅の景色」など、人間の力の及ばない能力を備えている環境や自然現象、神秘的な景観に対し様々な祈りを捧げてきた。彼らが原始風景・近代風景および自然物・人工物を問わず森羅万象の事物に宿る神的・霊的な存在「カムイ/神威」を敬うのは、人間を取り巻く環境に対する作法の原点である。深い信仰と畏敬を集めてきた霊峰神威山を最高峰に頂く奥尻島は縄文時代より豊かなブナ林に包まれ、いつしか「カムイの島」と呼ばれるようになった。

 平成五年(1993)故郷の奥尻島を襲った北海道南西沖地震をきっかけに写真家を志した私は、当初、奥尻島と同じ経度(東経139度33分)に位置する古都鎌倉の神秘的空間を巡礼。平成二十一年(2009)東京から奥尻島に帰郷したのち、「離島独自の環境や自然現象(現実)、カムイが宿る景観(仮想)」をモチーフに、ライフワークの「祈りの原景」をテーマとした作品制作を行なっている。

 

宇苗 満(うなえ・みちる)

 

展覧会情報

会 期:2021年10月1日(金)~6日(水)10:00~18:00  木曜日休館/入館無料

会 場:富士フイルムフォトサロン 札幌
北海道札幌市中央区大通西6丁目1番地 富士フイルム札幌ビル1F

電 話:011(241)7170  最新情報の確認:平日10時~18時

 

富士フイルムフォトサロン 札幌 HP:https://www.fujifilm.co.jp/photosalon/sapporo/